イジワル御曹司様に今宵も愛でられています
「藤沢様をテレビ局までお連れするよう言われておりますが、この後お時間よろしいですか?」
「時間ならありますけど……」
わざわざ呼び出すなんて、一体どういうわけだろう。
「それは良かった。近くに車を停めてますので行きましょう」
「えっ? あっ、はい!」
羽根木さんが私を呼び出す理由を尋ねる間もなく、葛城さんは私に椅子から立ち上がるよう促す。私の鞄とカフェオレのカップは、すでに葛城さんの手の中にあった。
「次の予定まであまり時間がありません。急いでください」
「あっ、待って!」
手早くカップを処分しさっさとお店を出ようとする葛城さんを追って、私も足早に店を出た。