イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

「聞いたよ、就職先のこと。入社を前に倒産しちゃったんだって?」

「えっ、どうして知ってるんですか?」

 私の就職先のことだけじゃなく、そこが倒産したことまでも?

 驚く私に、羽根木さんは楽屋備え付けのテレビを指差した。


「さっきまでやってたワイドショー、結月ちゃん思いっきりアップで映ってたけど知らなかった?」

「え、私テレビに映ってたんですか?」

「インタビュー受けてる男の子のすぐ隣に放心状態の結月ちゃんが映ってた。一目でわかったよ」

 それで就職予定だった会社も、そこがなくなってしまったことも羽根木さんが知ることになったのか……。


「それで、大丈夫なの結月ちゃん」

 ただでさえ羽根木さんには父のことでも心配をかけてるのに、私のことまで気に病んで欲しくない。

 そう思った私は、ぐちゃぐちゃな気持ちをなんとか立て直し、無理やり笑顔を作った。


「内定取り消しにはなっちゃったけど、大丈夫ですよ。きっと……再就職先だってなんとかなると思います」


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