イジワル御曹司様に今宵も愛でられています
「なんとかなるって、何か当てでもあるの?」
「それは、まだありませんけど……」
声を小さくする私に、羽根木さんは深いため息を吐く。
「わかった。それなら君には俺のアシスタントをしてもらう」
「羽根木さんのアシスタント? 私がですか!?」
「最近本業とは直接関係ない仕事も増えてきて、葛城一人じゃ手が回らなくなりつつあった。ちょうど人を増やそうかって話をしてたんだ。葛城!」
「失礼します」
いったん楽屋の外に出ていた葛城さんが大きめの白い封筒を持って入って来た。
「ここに入ってるのは雇用契約書。細かいことは全部書いてあるから、ざっと今目を通してくれる? お父さんのことも考慮して通常より拘束時間は短く設定してる。一応アルバイトとしての採用だけど、はっきり言ってそこら辺の新入社員より待遇は悪くないと思うし、君の不利益になるような条件はないから安心していいよ。あ、結月ちゃん今日印鑑持ってる?」
呆気に取られている私を尻目に、羽根木さんはどんどん話を進めてしまう。
羽根木さんってこんなに強引な人だったの?