イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

 ああこの三人、きっと昔から周囲が見ていて羨ましくなるほど仲が良かったんだな。


 その様子を見ていて合点がいった。

 ……さっきのアドバイスは、ひょっとしたら松原さんの体験談なのかもしれない。

 紅一点の松原さんを、羽根木さんと葛城さんが上手に守ってきた。

 でも松原さんも、自分が二人に大事にされていることをちゃんとわかってて……。


 素敵だな。うん、この関係は素直に羨ましい。


 和気藹々と話す二人を見ながらそんなことを考えていると、松原さんのスマホが鳴った。

「ああ、本社からだわ。私はこれで失礼しますね」

「楽しいお話ありがとうございました」

「それじゃまた、パーティー当日に」

 にこやかに手を振りながら去っていく。


 素敵な人だ、松原さん。やっぱり憧れちゃうなぁ。

 松原さんが去って少し騒がしくなってきたなと思っていると、奥の事務所の方から数人の女性スタッフがこちら側をのぞいていた。

 羽根木さんの姿を見るなり、黄色い声が上がる。

 ああ、ファンなのかな。作業中も騒がしくして、羽根木さんの気が散らなきゃいいんだけど……。

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