独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
どういう返事をしたらいいか分からず、曖昧な返事をする。
そもそも政略結婚だし、そんな大々的にお祝いしてもらうのもどうかと思うところもある。
だけど私の理想の結婚としては、色々な人から「おめでとう!」と祝われたいところなんだけど。
複雑だなーと思いながら、山口さんに笑いかけるけれど、彼女は表情を崩さず、じっと私の顔を見つめてきた。
「……あの?」
「あ、すみません。社長がお待ちです、どうぞ」
一体何の間だったんだろう……? と不思議に思いながら、社長室に案内される。
重厚な扉の向こうには、ソファが並んだ応接スペースがあり、その奥に執務机がある。
その執務机の向こうの壁には大きな窓があって、東京の街並みを一望できるようになっていた。