独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「制服……よく似合ってる」
「え……?」
「可愛いって褒めているんだ」

 一瞬何の話をされているのか分からずポカンとしていたけれど、時間差で理解して爆発したみたいに頬が熱くなった。

「え……っ、ええ……っと……ありがとう……ございます……」

 智也さんも異様に照れていて、二人して恥ずかしがって目を逸らす。

 もう、何なの。この照れくさい感じ。言った本人まで照れてしまってなんだかこっちまでくすぐったくなる。

顔が緩んでしまって俯きながら手の甲で口元を抑えた。

「詩織、こちらに」

 智也さんの手が私の腰あたりに伸びてきて、そっと優しく引き寄せられる。
そして気が付くと私の体は彼の腕の中に包み込まれていた。

「あ、あの……!?」

 これってハグされているよね? わぁ、どうしよう。

 初めて男性に抱き締められた。大きな体にすっぽりと埋まってしまって、逞しい体つきに男らしさを感じる。
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