独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
* * *
駐車場に車を停めて、マンションの地下入り口から中に入る。そしてそのままエレベーターに乗り込んで自宅へと向かった。
今まで自宅に帰るときにこんなに浮ついた気持ちになったことなんてない。彼女が来てから俺の生活は一変した。
俺の妻――藤崎詩織。家族経営している会社の危機を救うため、俺の妻になることを選んだ女性。
こちらから提案しておいてなんだが、まさかこんな結婚話に乗ってくるなんて予想外だった。
こういうことに興味を示さない子だと思っていたけれど、そうではなかったようだ。
そもそもどうしてこのようなことになったかというと、平たく言えば俺の一目惚れだ。
彼女は俺のことなんて眼中になかっただろうけど、俺は昔から詩織のことが気に入っていた。
そんな想いを寄せていることなど知らない妻。詩織は俺たちのことを利害関係で結ばれた関係だと思っているけど、実はそうじゃない。