独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます


「はぁ……。風呂に入ろうかな」

 早く入浴して、詩織とゆっくりする時間を作りたい。
 心地いい疲れを感じながら、チェアから立ち上がり自室を出た。

 部屋を出てリビングを通り、廊下の奥に浴室がある。疲れたな、と肩を回しながらリビングに到着すると、ソファの上で眠っている詩織を見つけた。

「あーあ」

 せっかく今から詩織と過ごそうと思っていたのに、想いの主は眠りの世界に行ってしまったのか。

 それだけならいいのだけど、彼女はお風呂上がりで、もこもこの可愛らしいパーカにショートパンツというなんとも悩ましい格好をしている。

「はぁ……」

 俺のことを一体どう思っているのだろうか。

 確かに最初に結婚のルールとして、一線は越えないものとすると提示したけれども。
 それは彼女に安心してもらうために出した条件だ。

< 129 / 284 >

この作品をシェア

pagetop