独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「はぁ……。風呂に入ろうかな」
早く入浴して、詩織とゆっくりする時間を作りたい。
心地いい疲れを感じながら、チェアから立ち上がり自室を出た。
部屋を出てリビングを通り、廊下の奥に浴室がある。疲れたな、と肩を回しながらリビングに到着すると、ソファの上で眠っている詩織を見つけた。
「あーあ」
せっかく今から詩織と過ごそうと思っていたのに、想いの主は眠りの世界に行ってしまったのか。
それだけならいいのだけど、彼女はお風呂上がりで、もこもこの可愛らしいパーカにショートパンツというなんとも悩ましい格好をしている。
「はぁ……」
俺のことを一体どう思っているのだろうか。
確かに最初に結婚のルールとして、一線は越えないものとすると提示したけれども。
それは彼女に安心してもらうために出した条件だ。