独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

* * *

「はっ!」

 急に目が覚めて、大きく目を見開くと、目の前が真っ暗で状況が飲み込めず混乱した。

 え? え……っ? 今、何時? っていうか、ここベッド?

 確かお風呂に入って、髪を乾かしたあと急に眠くなったから、ソファで横になったはずで……そのあとの記憶が全然ない。
 勢いよく起き上がり、枕元の時計を見てみると、夜中の二時だった。

「うそ、寝ちゃってた……」

 しまった――と後悔して、ふっと横を見てみると誰もいない。智也さんはどこにいるんだろう?
 珍しく家にいたから、智也さんの仕事が終わるまで待っていようって思っていたのに。

 もしかしてまだ仕事中?

 ベッドから抜け出し、寝室を出る。真っ暗な廊下を進んでリビングに向かうと、そこにも智也さんはいない。
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