独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「ごめん、驚かせた?」
「は、はい……驚き、ました……」

 慌ててお茶を飲んで呼吸を整える。

 はぁ、いきなりそんなことを聞かれたらびっくりするよ……。

「……で、いなかったの?」
「えっと……その……」

 いないって言えば、嘘になるし、いるっていうほどの深い関係があったわけでもない。

 一年前にウェディングドレスを着て困っていたときに助けてくれた男性を思いだす。

でも人とはあの一時的な出会いだけだったし、その後音信不通で連絡が来なかった。

 あれを片想いと呼ぶのはどうだろう……。

「いたような、いなかったような」
「どっち」
「いいなって思った人はいました。でも出会ったのは一瞬だったし、私のことなんて何とも思っていらっしゃらないと思います」
「一目惚れしたってこと?」

 見た目もすごく素敵だったけれど、それ以上にさり気なく私を助けてくれたところに惹かれた。

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