独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
そのまま廊下まで足早に歩き、エレベーターのボタンを押して、来るまでの時間をやり過ごしていると、背後から追いかけて来る足音が聞こえた。
「社長、あの」
「……ん?」
山口は社長秘書で、長身でモデルのようにスレンダーなスタイルをしている。
別に容姿で選んだわけではないが、彼女は見た目だけでなく教養も文句なしの逸材で、よく気が利くし頭の回転が早い。こちらが何を要求しているか、先のことを読んで行動のできる優秀な社員だ。
なので、俺がこの会社を立ち上げる前から彼女を秘書につけている。
「お引止めして申し訳ございません。あの、社長のご結婚を知っている社員だけで、結婚のお祝いをさせていただきたくて……こちらを」
彼女が差し出したのは、海外旅行のペアチケットだった。