独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「そう思ったから、そう言っただけだよ」

 いきなりそんなふうに褒められたら照れるよ。
 智也さんに恥をかかせたんじゃないかと不安だったけど、そう言ってもらえると救われる。

「帰ろうか」
「はい」

 ふいに手を握られて、智也さんは歩き出す。最初は普通の握り方だったのに、エレベーターの前に来ると指を絡ませるような握り方に変わった。

 わ、わわ……。これって、恋人つなぎだ。

 智也さんの大きくて綺麗な指が私の手に絡まってる。そう思うと恥ずかしくて嬉しくて顔が熱くなってくる。

 手を繋いで向かう先は、二人の家。

 ああ、もう幸せだ。好きな人と一緒の家にいられる。他の人たちは帰ってしまうけれど、私たちの帰るところは同じところ。

 それが特別な感じがして、夫婦なんだなって実感する。

 これで両想いだったら、最高なんだけど……それは望みすぎかな。
 今はこれで十分。私にはもったいないくらいの結婚生活だ。
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