独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
駆け落ちをすると言っていたけれど、できれは両親に認めてもらって結婚できるに越したことはない。
周囲に認めてもらえたら、駆け落ちなどしなくていいのだから。
「お父様も、そう思われていますよね? お嬢さんの幸せを願っていらっしゃるはずです」
「当たり前です、真紀のことを心配して、私は――」
「お嬢さんの幸せは愛する彼と結婚することです。式だけでも挙げさせてもらえませんか? そのあとのことは、式を見て決めてもらえないでしょうか」
お父さんも、高橋さんの幸せそうな表情を見たら、きっと心が変わる。彼女の一番の幸せが何なのかって気が付いてくれるかもしれない。
「……とにかく、私たちは行きませんから。失礼いたします」
「どうか、お許しになってください! お願いします」
私を交わして高橋さんの父親は、足早に歩いていってしまった。遠くなっていく背中に向かって、もう一度大きな声をかけた。