独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

　二人の話を聞いて、何か私にできることはないだろうかと考える。

　高橋さんはこのまま結婚できないかもしれないと弱気になっているみたい。そうだよね。昼間のお父さんの剣幕を見ていると、私でも少し怖気づきそうになった。

　二人の会話が途切れたところで、私は話を切り出した。

「大変なときにお呼びたてしてしまってすみません。どうしてもお二人の気持ちを確かめておきたかったんです」

　お父さんに猛反対されている今でも挙式をあげようと思っているのかと、二人の気持ちは揺らいでいないのか。

　このまま私も二人を後押ししていっていいのかどうかを確かめたかった。私の独りよがりになってはいけないから。
「私たちの決意は変わりません。父が何と言おうと、結婚します」
「彼女と離れるなど考えられません」