独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
二人の真剣な眼差しを見て、私も頷く。私は二人の気持ちに寄り添って、同じ気持ちで一緒に進んでいくことを決意した。
「最後まで頑張りましょう。お父様の気持ちだって変わるかもしれませんし」
「はい」
挙式まであと一週間――。
最後の最後まで諦めない。
高橋さんには何も言っていないけれど、私は退社時間を見計らって高橋さんのお父さんの勤めているホテルに足を運んだ。
高橋さんのお父さんは、都内一等地にある高級ホテルの経営をしている大企業の社長さんだ。
娘の真紀さんは一人娘で、そのホテル事業の後継者らしいのだけど、今回高校の元担任と結婚すると言い出したから大反対になってしまったらしい。
「また君か……」
「何度もすみません。お嬢さんの結婚式に出てはもらえませんか?」