独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「順番はめちゃくちゃになってしまったけど、ちゃんと詩織のことを好きだから信じてほしい」
泣いてしまって智也さんの言葉に返事ができない。嬉しくて胸がいっぱいで幸せで満たされていく。
「政略結婚っていうことで結婚したのに、いきなり好きな気持ちを押し付けたら引くかなと思って抑えていたんだ」
「そう……なんですか?」
じゃあ、あの夫婦らしくするためのハグやキスも全部好きだからしてくれていたの?
そう思うと沸騰するみたいに全身が熱くなって頬が赤くなる。
「高橋社長のもとに一人で行ったって聞いて、心配でたまらなかった。何かされていたらどうしようかと思った」
「高橋社長が若い女性が好きなんて吹聴されていたからですね。心配させてしまってごめんなさい」
「詩織が悪いわけじゃない……俺がもっと早く自分の気持ちを素直に伝えていれば、こんな誤解はなかったんだ」
もう一度抱き締められて彼の胸の中に埋まる。智也さんの大きな体を感じて幸せを噛み締める。