独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
兄たちから智也さんが私のことを想ってくれているとは聞いていたけれど実感が湧かなかった。
彼の口から言われるまで、夢みたいで信じられないと思っていた。
でもついに智也さんから好きと言ってもらえたことに嬉しくて涙が溢れてくる。
「え……っ、あれ? 泣いてる? どうした?」
「ごめん、なさ……嬉しくて……」
涙を零す私を心配そうに見ている智也さん。次々に溢れてくる涙を拭って頭を撫でてくれる。
「ずっと前から詩織のことが好きだった。本当は普通に恋愛して、順番通りに進んで結婚したかったんだけど……なぜかこんなことになってしまって、困らせてばかりでごめん」
「ううん」
「どんな手段を使っても詩織と一緒になりたかった。誰にも渡したくない」
智也さんは悪くない。うちの家族が智也さんを巻き込んでしまってこんな結婚をすることになってしまったんだから。