独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「えっ……? どうしたの?」
突然のことに驚いて、私は動揺して瞬きを繰り返した。
「詩織」
「……はい」
跪いている智也は下から私を見上げて、真剣な眼差しで射貫くように見つめている。
その誠実な瞳に釘付けになって、改めて格好いいと再確認してしまう。
「遅くなってしまったけど……俺と結婚してください」
彼の手元にはリングケースが現れ、プロポーズと共にパカっと開かれた。
これって……これって!!
私が思い描いていた理想のプロポーズ!
すごくベタだし、昨今こんなことをする人なんて存在しないよ、と友人たちに散々言われてきたプロポーズが目の前で行われている。
順番は前後してしまったけれど、こんなに嬉しいことはない。
「詩織、愛してる。俺とずっと最期のときまで一緒にいてほしい」
大好きな人にこんなふうに言ってもらえるなんて幸せすぎるよ。