独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「本当は白馬に乗って登場することも考えたんだ。詩織は白馬に乗った王子様に憧れていると思ったから」
「ええーっ! そうなの!? なんでわかったの? 見たかった、やってほしかった!!」
「でも王子様の格好をするには年齢がきついなって……」
智也がそんなことを言うから、思わず吹き出してしまった。
「ふふふ、でも智也なら王子様の格好似合いそうだよ?」
「やっぱり白馬の王子様に憧れてたんだ」
「乙女の憧れでしょ?」
「……乙女ね」
あ、またそこに引っかかる。
女性はいつまでも乙女心を持っているものなんだよ。私は特にそういう傾向が強いけど。
「白馬に乗っていないけど、智也は私の王子様だよ。すごく素敵な王子様で、旦那様!」
「喜んでくれて嬉しいよ。俺の愛しの奥さん」
そう言うと、彼は私にキスをしてくれた。
王子様から甘い甘いキスをされて私はこの世界一の旦那様の妻になれたことを心から幸せだと感じた。
これからも永遠に智也だけを愛していく。
ずっとこの先も――

