独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
それから直樹と晴樹もなんだか内緒のドレス制作をしていて、私に見せないようにしているドールが一体だけあった。
様子が変だな、おかしいなとは思っていたけれど……
それってもしかしてこの結婚式のことだった!?
「ありがとう、すごく嬉しい! お盆とお正月と誕生日とクリスマスが一緒に来たみたいに嬉しい!!」
素直にそう思える。政略結婚として始まった二人だしもうすでに入籍済みだから、智也にプロポーズしてもらえるなんて思ってもみなかった。
でも心の奥ではしてほしいと思っていたんだ。だって好きな人からプロポーズしてもらうのって女性の憧れでしょ?
「智也って、私に負けないくらいのロマンチストだよね。こういうことさらっとやってくれちゃうし」
「そうかな? 詩織にだからだよ。詩織の喜ぶ顔が見たくて」
立ち上がった智也は私を抱き寄せ腰に手を回す。そして微笑みながら少しずつ距離が縮まっていく。