目覚めたら、社長と結婚してました
 怜二さんと一緒に住むようになって一週間が経過した週末、私は彼に断りを入れてから、昼時にあるカフェに足を運んでいた。

 チーズケーキが有名なこのカフェは壁も天井も白で統一され、木製の机や椅子などがカジュアルさと温かみのある空間を作り出している。

「柚花、こっち」

 きょろきょろと店の奥に向かっていた私に声がかかる。先に訪れていた奈々は、私を見つけると手を軽く振ってくれた。私は歩調を速めて席に着く。

「遅くなってごめんね」

「私も今来たところだから気にしないで。柚花もランチでいい?」

「うん」

 この店は、あくまでも売りはチーズケーキなので、食事としては軽食のほか日替わりランチは一種類だった。これがものすごく人気で、この店自慢のチーズケーキとドリンクがセットになっている。

 値段的にも内容的にもお得で、食事を楽しんで、ゆっくりお茶をするのにはちょうどいい。

 奈々は店員を呼び止めると、私の分までさっさと注文を済ませてくれた。こういう姉御肌なところは高校生の頃からちっとも変わらない。

 今日の奈々は黒のブイネックにボルドーのパンツとシンプルだが、上品さを損ねていない組み合わせで首元に揺れる大きめのゴールドのネックレスがいいアクセントになっている。

 対する私は、キャメル色のリブニットに、ピンコッタカラーのロングスカートという甘めのコーディネートだ。こういう好みもお互いあまり変わっていない。
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