Some Day ~夢に向かって~
生じた亀裂
文化祭の出し物は、男子が中心となって推したお化け屋敷に一旦は決まったんだけど、他学年で同じ希望を出したクラスがあって、クジ引きの結果、我がクラスは敗れてしまった。
話は振り出しに戻り、結局は女子の多くが希望した飲食店系に落ち着くことになった。
お化け屋敷も悪くないけど、手の込んだモノをやろうと思えば、準備に時間がかかる。
その点、飲食系なら2週間前から準備にかかれば十分だと思うから、受験生の私達にとっては、結果オ-ライだったんじゃないかな。
何を出すのかは、スィ-ツ系希望の女子に対して、男子が焼きそば、タコ焼き、おにぎりと言ったガッツリ系を主張したけど、集客のことを考えれば、女子ウケするスィ-ツ系ということで、話がまとまり、クレ-プとアイスに決まった。
よその学校では、メイド喫茶やコスプレがウリのお店があったりするみたいだけど、ウチの学校はそういうのは一切NG。
ついでに言えばミスコンや告白大会と言った類のイベントもダメで、後夜祭の最後を飾る大花火大会はちょっと自慢できるけど、今時の高校の文化祭としてはちょっと面白みに欠けてるかも。
それだけにやる以上、売れる物を出して、有終の美をという思いはみんな共通してる。
「それでは役割分担もだいたい決まりましたんで、みんなよろしくお願いします。」
実行委員の加瀬くんがそう締めて、2日間に渡った話し合いは終わった。
「やれやれ、決まったな。」
本当に、やれやれといった感じで先輩は伸びをしながら立ち上がった。
「お疲れ様でした。」
「別に、俺は黙って、みんなの話を聞いてただけだし。」
私の言葉に、そう言いながら苦笑いを浮かべる先輩。
「でも楽しみだな、俺が何かの役に立つかは、はなはだ疑問だけど。」
「そんなことないですよ。」
そこへ割り込むように、先輩のファンがまた近づいて来る。
「先輩、そろそろ帰りましょうよ。」
「先輩と一緒に文化祭できるなんて楽しみ。」
「そうか、おだてても何にも出ねぇぜ。」
彼女達に笑顔でそう言うと、先輩は
「じゃあな、水木。また後で。」
私にそう言い残して、取り巻き(?)の女子達を引き連れて、教室を出て行った。
「また後で、か。」
突然声がするので、ビックリすると、いつの間に由夏が横にいる。
「由夏。」
「あんなセリフ聞かされて、あの子達、内心カリカリ来てるよ、きっと。」
「そんなことないよ。」
私はつっけんどんな声で答える。
「どうしたの?悠。」
「何でもない。それより帰ろうよ、私達も。」
「あっ、ちょって待ってよ、悠。」
サッサと歩き出した私に、慌てて悠も後を追う。
ごめんね、由夏。八つ当たりしちゃって。先輩と話してたのを邪魔されて、さすがにイラッとしちゃったんだ。
でも今日だって、私結局、あんな具合で先輩とほとんど話せなかった。先輩もあの子達を追い払うわけでもなく、楽しそうに話して、一緒に帰ってった。
メ-ルも昨日は来なかった、正直期待してたんだけどな。
つまり、先輩にとって私は所詮ワンオブゼムなんだよ。なのに、いろいろ私を煽ったり、期待させることを言う由夏にも、ちょっとイラッとしちゃったのも事実。
校門を出るまで、ほとんど話もしないで、由夏と別れた私は、その夜、先輩と帰る気にもならずに、1人で急いで帰って来てしまった。
話は振り出しに戻り、結局は女子の多くが希望した飲食店系に落ち着くことになった。
お化け屋敷も悪くないけど、手の込んだモノをやろうと思えば、準備に時間がかかる。
その点、飲食系なら2週間前から準備にかかれば十分だと思うから、受験生の私達にとっては、結果オ-ライだったんじゃないかな。
何を出すのかは、スィ-ツ系希望の女子に対して、男子が焼きそば、タコ焼き、おにぎりと言ったガッツリ系を主張したけど、集客のことを考えれば、女子ウケするスィ-ツ系ということで、話がまとまり、クレ-プとアイスに決まった。
よその学校では、メイド喫茶やコスプレがウリのお店があったりするみたいだけど、ウチの学校はそういうのは一切NG。
ついでに言えばミスコンや告白大会と言った類のイベントもダメで、後夜祭の最後を飾る大花火大会はちょっと自慢できるけど、今時の高校の文化祭としてはちょっと面白みに欠けてるかも。
それだけにやる以上、売れる物を出して、有終の美をという思いはみんな共通してる。
「それでは役割分担もだいたい決まりましたんで、みんなよろしくお願いします。」
実行委員の加瀬くんがそう締めて、2日間に渡った話し合いは終わった。
「やれやれ、決まったな。」
本当に、やれやれといった感じで先輩は伸びをしながら立ち上がった。
「お疲れ様でした。」
「別に、俺は黙って、みんなの話を聞いてただけだし。」
私の言葉に、そう言いながら苦笑いを浮かべる先輩。
「でも楽しみだな、俺が何かの役に立つかは、はなはだ疑問だけど。」
「そんなことないですよ。」
そこへ割り込むように、先輩のファンがまた近づいて来る。
「先輩、そろそろ帰りましょうよ。」
「先輩と一緒に文化祭できるなんて楽しみ。」
「そうか、おだてても何にも出ねぇぜ。」
彼女達に笑顔でそう言うと、先輩は
「じゃあな、水木。また後で。」
私にそう言い残して、取り巻き(?)の女子達を引き連れて、教室を出て行った。
「また後で、か。」
突然声がするので、ビックリすると、いつの間に由夏が横にいる。
「由夏。」
「あんなセリフ聞かされて、あの子達、内心カリカリ来てるよ、きっと。」
「そんなことないよ。」
私はつっけんどんな声で答える。
「どうしたの?悠。」
「何でもない。それより帰ろうよ、私達も。」
「あっ、ちょって待ってよ、悠。」
サッサと歩き出した私に、慌てて悠も後を追う。
ごめんね、由夏。八つ当たりしちゃって。先輩と話してたのを邪魔されて、さすがにイラッとしちゃったんだ。
でも今日だって、私結局、あんな具合で先輩とほとんど話せなかった。先輩もあの子達を追い払うわけでもなく、楽しそうに話して、一緒に帰ってった。
メ-ルも昨日は来なかった、正直期待してたんだけどな。
つまり、先輩にとって私は所詮ワンオブゼムなんだよ。なのに、いろいろ私を煽ったり、期待させることを言う由夏にも、ちょっとイラッとしちゃったのも事実。
校門を出るまで、ほとんど話もしないで、由夏と別れた私は、その夜、先輩と帰る気にもならずに、1人で急いで帰って来てしまった。