地下室のフィアンセ ~秘密を愛しすぎた獣~
「ああ、知っていたよ。君のことはなんでも。
僕は君の優しさにふれて救われた人間の一人さ。
白衣を着た君はとても輝いている。僕はそんな君が誇りだったよ」
男は今までにないほど素敵な笑顔を浮かべた。
「それならお願い。私を自由にして。
私ずっと気がかりな患者がいるの。
このまま私がここにいたらあの患者は救われないかもしれないの。だから、お願い…」
女は切に男の腕を掴んで言った。
「リサ………」
そんな女の言葉に男は目に涙を浮かべた。
「すまない、本当にすまない。だけど僕は、君のことが大好きなんだ、心から、心から…………」
そう言い残して男はまたどこかえいってしまった。
「ピエール…………?」
その時、女はなんとなく男が可愛そうに思えた。