キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
この場から早く立ち去ろうとした僕に

人形は何かを求める様に手を開いていた

何か・・・書いてある

ガソリン5リットル

誰かの悪戯だろうか?

僕はその手を避けるように林を抜け

町に出た

人間が歩いている

僕はバッグから

毒茸の様なスカートを取り出し

その人に尋ねた

「あの・・・すみません」

「この持ち主を知りませんか?」

・・・変な顔をされた

正直泣きそうだった

今まであんな目で見られた事が無い

でも僕は食い下がった

十字が刻まれた可愛い帽子

「ん」と書かれたシャツ

その他・・・下着

・・・逃げられた

涙がこぼれた
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