キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
「蒼井さん・・・お金ないですよ」

青果店の前で立ち尽くす二人の視線に

店のおじさんは気付かないふりをし

忙しそうにしていました

蒼井は仕方なくそこら辺に生えてあった

蛇イチゴを食べ

「ところで博士がなんだって?」

と口の周りをべちゃべちゃにしながら

キネウムに言いました

「あ・・・あの犬です」

「あの犬がバリー博士なんです!!」

「は?そんな訳ないじゃん」

「博士って言うんだから人間でしょ」

「私信じない」

「行くよキネウム」

「なんかこっちに居る気がする」

ウサ耳がぴくぴくと反応する方向に

のしのしと歩き出す蒼井に

え・・・飛んでった方向と

正反対じゃん・・・これは言うべきか

それとも従うべきか・・・

ていうか僕は何をしているんだ?

と、キネウムは悩んでしまいました
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