キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
「違うんですって蒼井さん!」

「蒼井さんがさっきあっちに博士を」

「吹っ飛ばしたんですよ!」

「犬だったんです!博士は犬!」

蒼井は深く考え込み

キネウムをじっと見つめました

キネウムは思いました

なんて可愛いんだ蒼井さん

死にそう、と

「君・・・なぜ知ってるの?」

急に現実という厳しい風が吹き荒れ

キネウムのお花畑は乾季のサバナの様な

それはそれはカラッカラな

はぁ・・・繭作って休眠したい・・・

と思わせる程の乾燥ぶりでした

「は・・・いや・・・」

「蒼井さんが眠っている間に」

「バリー博士が来たんですよ」

「そしたらなんか・・・蒼井さんが」

「・・・私が何か?」

「・・・憶えて無いんですか?」

「・・・何をですか?」

「いや・・・ついさっきの事ですよ?」

「はぁ」
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