キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
パチパチとはじける火の粉は

イーディスの瞳をより輝かせ

暗闇に映るその姿はまるで

どこかの国のお姫様の様でした

「それでさ!見て見てこのドングリ!」

イーディスがずっと座っていた

白いクッションはなんと

ドングリ袋だったのです

「あの・・・姫様?」

「とうとう俗世をお捨てに・・・?」

イーディスはマリに向かって

ドングリを投げつけ言いました

「銭形平次舐めんじゃないよっ!」

「これはお金なの!この闇市での!」

「これだけあれば一生豪遊できるって」

「闇市のドンが言ってよウィーヒッヒ!」

イーディスのわるーい顔を見てマリは

今まで感じてきた以上の不安を感じました
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