キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
日も差さぬ林の中

僕は人間の愚かさに一人震えていた

なぜ彼らはあんなに楽しそうに

彼女に・・・

僕は目の前に横たわる彼女を

ただ見つめる事しか出来なかった

二人だけの時が

どれだけ続いただろう

僕の心に何かが芽生え始めた

僕は

人間だ

何が悪い

僕は辺りを見渡し

誰も居ない事を確認すると

冷たくなっている彼女を抱き締めた

これが

本物の女の匂い

人間とはなんて素晴らしいんだ

僕の心は奮えた
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