溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
男の本能を刺激する。

こういうのは裸になられるより質が悪い。

そそられてしまう。

“触るな、危険”……そんなシールを貼り付けてやりたい。

「お前さあ、今まで修也や他の男にその姿を見せてきたのか?」

胸の内に広がるドス黒い感情。

これは、嫉妬だ。

だが、彼女の初めての相手が自分だったことを思い出し、少し冷静さを取り戻した。

「俺だけなら許す」

愛おしげに楓の頰を撫でると、彼女の額にチュッと口付ける。

今日は唇にはしなかった。

止められなくなりそうだから。

自分の邪な気持ちと戦いながら彼女にそっと囁く。

「おやすみ」

楓の無防備な寝顔をもう一度見ると、彼女の寝室を後にした。
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