溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
これじゃあ、意味が通じないのか?

男を誘うのって難しい。

なら、これならどう?

遥の首に腕を絡め、「私を抱いてよ」と彼の耳元で囁く。

よくドラマや映画で女優さんがやっているのを真似して見せたが、遥は眉根を寄せるだけではなく、表情を険しくして私の身体を剥がした。

「酔っ払いの戯言に付き合ってられるか」

『戯言』?

ブチッと何かが自分の中で切れた。

「私は本気よ。遥が抱いてくれないから、今すぐここを出てって他の男に抱いてもらう!」

声を荒げると、ブラウスを脱ぎ、さらにブラのホックを外して脱ぎ捨てた。

「お前……自分が何やってるかわかってるのか?」

困惑した顔をする遥。

またお説教する気?

私じゃ色気がなくて抱く気にもなれないって?

そう考えると、急に悲しくなった。

多分、酔ってるせいで感情がコントロール出来なくなったんだと思う。


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