溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
あ〜、わからない。

あの言葉の真意は何?

本人に聞いてもきっとはぐらかすに違いない。

そんなことを悶々とベッドで考えていたら眠れなくなっちゃって寝不足だ。

ここに来るまでの車の中で少し寝たけど、まだまだ眠い。

「ルアー釣りなんて初心者なんだもん。よくわからないわよ……あふ」

あくびをしながら言い訳する。

ここに着いて一時間。

私はゼロ匹なのに、遥はもう十匹も魚を釣っている。

なぜこいつの趣味に付き合わされるために、私も早起きさせられたのか。

あの広い家でひとりお留守番したかったな。

今日は五月一日。

カレンダーの上では平日だけど、遥の会社は六日までGW休み。

彼の会社で働くことが決まってるから、私ものんびりしていられるのだけど。

もしあのまま友人のアパートにお邪魔してたら、今頃ハローワークに悲壮感漂う顔して行ってたかもしれない。
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