溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
ルアーをキャストして、遥が一定のリズムでリールを巻く。

すると大きな魚が数匹そのルアーを追いかけてきて、一匹がパクッと食いついた。

「あっ、かかった!」

一投目で魚が食いついて声を上げる私。

遥はそんな私をチラリと見て満足気に笑い、リールを巻き上げ、竿を引っ張って魚を釣り上げる。

すると、三十センチほどのニジマスがかかっていた。

「これならお前でも簡単に釣れる」

そう言って、魚の口から針を外すとすぐに池に戻し、その竿を私に手渡した。

「確かに釣れそう」

魚がたくさんいるところにキャストしてリールを巻く。

すると、さっき遥がやったみたいに魚が追ってきてパクッ。

「やった!」

竿が魚の重みでブルブル震えた。

必死で逃げる魚と格闘しながらなんとか釣り上げる。

かかっていたのは二十センチほどのこれもニジマス。
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