溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
素直で、俺の言うことは何でも『うん』と天使のような笑顔で返事をしたっけ。

修也に『楓、一日レンタルする?』とからかわれたこともあった。

懐かしい思い出だ。

彼女が俺に反抗するようになったのは、俺が高校の時だったと思う。

十代の頃は女遊びが激しくて、毎日違う女を連れていたら、楓に会って軽蔑の眼差しで見られたのだ。

それから、俺への態度が変わった。

俺も若かったんだ。

今は修業僧くらい真面目な生活を送っている。

いや、それは過去形か。

楓に手を出した。

女をしばらく抱いていなかったから、彼女を自分のものにしてしまったのかもしれない。

最初は後悔しかなかった。

だが、気持ちはだんだん変化していって、今は全力で楓を守らなければって思う。

これって何なんだろうな。

妹のように思っていた彼女。

< 86 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop