わたしと専務のナイショの話
 などと考えていると、祐人は、
「坂下はまだ、専務とのこと迷ってるみたいなんですけどね。
 お前には過ぎた相手だ、観念しろ、と言っておきましたから」
とあっさり言ってくる。

「……そうか。
 ありがとう」

 何故、俺は勝手にのぞみにキスした男に、礼を?
と思ったが、祐人は、いえ、と言って、仕事の報告をすると、

「では、失礼します」
と言って、さっさと出ていってしまった。

 ……終わったのだろうかな、これで、この一件は。

 そうなんだろうな。

 御堂は特にのぞみに興味はないようだし。

 のぞみも俺の方がいいと言ってくれた。

 ちょっとムカつくが、今回の件で、のぞみも俺に告白らしきものをしてくれたわけだし。

 御堂は失いたくないくらい優秀な部下だ。

 よし、これで終わりにしよう。

 今度、なにかの呑み会で、酔った弾みで、一発殴るくらいは許されるだろうしな。

 よし、終わりだ、終わり、と京平は気持ちを切り替えようとした。






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