わたしと専務のナイショの話
 



 万美子が、祐人と二人でサボれたので機嫌よく秘書室に戻ると、のぞみが鼻歌まじりにキーボードを叩いてた。

「ねえ」
と側に行って、呼びかける。

「さっき、お局……

 新田さんと、なに話してたの?」
と訊くと、

「ああ。
 なんか給湯室の掃除について叱られてたんです」
とのぞみは言った。

「……クレーンゲームがどうとか聞こえたんだけど」

「お掃除の話から、私がクレーンゲームでとったお掃除ロボットの話になったんですよ」

 そう言い、のぞみは笑う。

「あるの? クレーンゲームでそんなの」

「六千円くらい突っ込みましたかね~」

「……もっと他のことにお金使いなさいよ」

 などと話していると、珍しく、京平と常務が一緒にやってきた。

 秘書室長と常務が話しているとき、チラ、と京平がのぞみの方を見た。

 のぞみは照れたように俯く。
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