わたしと専務のナイショの話
 専務と付き合ってるとかいう話は、本当だったのか。

 じゃあ、祐人はやっぱり関係ないか、と思って、その場を離れようとしたとき、
「永井さん」
と後輩の男の子が恥ずかしそうに話しかけてきた。

 丁寧に仕事を教えてあげ、にっこり微笑むと、真っ赤になって去っていく。

 すると、下からのぞみが言ってきた。

「不思議ですよね~。
 人はどの段階から、いい女になるんでしょうか。

 永井さんにも子どもの頃とかあったわけですよね?

 子どもの頃からこんな色っぽかったり、いい女だったりするわけではないと思うので。

 一体、人生のどの段階で、こんな風に変わるものなんでしょうね。

 ……私は変わるタイミングを失ったままみたいなんですけど」

 そう言うのぞみは、真剣に悩んでいるようだった。

 そういえば、自分でも、どの辺りで、大人の女に変わったのかわからない。

 化粧をしたからとか、服装が大人のそれになったから、とか言うのではなさそうだが。
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