わたしと専務のナイショの話
近くの家のおばさんが、飛び出してきてくれまして。
『大丈夫っ?』
って訊いてくださったので、
『猫はっ?
猫は大丈夫ですかっ?』
って言ったら、猫は呑気に道の端に寝て、失礼しちゃうわ~っ、ぷんぷんって顔で、しっぽ舐めてました。
私は結構な大怪我だったんですけどね……。
で、次の日、よし、猫に気をつけようっ、と思って、自転車漕いでいたら、今度は目の前に鳩が、くるっくー♪ って――」
「おーい、吉川ー。
この日程、ちょっとずらせないか?」
と立ち上がりながら、祐人が言うので、
「ちょっと最後まで聞いてくださいよっ」
と思わず、腕をつかんで引き止める。
「そんな何処までほんとかわからん話をいつまでも聞いてられるかっ」
と振り返り言う祐人に、
「いやいやいやいや。
全部、本当なんですってば。
御堂さ……」
と言いかけたとき、万美子が秘書室の入り口からすごい形相でこちらを見ているのに気づいた。
のぞみは、祐人の腕をつかんでいた自分の手をゆっくりと見下ろし、そっと離す。
『大丈夫っ?』
って訊いてくださったので、
『猫はっ?
猫は大丈夫ですかっ?』
って言ったら、猫は呑気に道の端に寝て、失礼しちゃうわ~っ、ぷんぷんって顔で、しっぽ舐めてました。
私は結構な大怪我だったんですけどね……。
で、次の日、よし、猫に気をつけようっ、と思って、自転車漕いでいたら、今度は目の前に鳩が、くるっくー♪ って――」
「おーい、吉川ー。
この日程、ちょっとずらせないか?」
と立ち上がりながら、祐人が言うので、
「ちょっと最後まで聞いてくださいよっ」
と思わず、腕をつかんで引き止める。
「そんな何処までほんとかわからん話をいつまでも聞いてられるかっ」
と振り返り言う祐人に、
「いやいやいやいや。
全部、本当なんですってば。
御堂さ……」
と言いかけたとき、万美子が秘書室の入り口からすごい形相でこちらを見ているのに気づいた。
のぞみは、祐人の腕をつかんでいた自分の手をゆっくりと見下ろし、そっと離す。