わたしと専務のナイショの話
 


 あのあと――

「なによ、京平ったら。
 日取りまで勝手に決めちゃってさあ」
と伽耶子が文句をつけてきた。

「のぞみさん。
 貴女、これでいいの?

 私はね、息子の結婚式には、いろいろと夢があったのよ。

 なのに、なんで勝手に来週とかって話になってるのよ。

 のぞみさん、貴女も言ってやりなさいよ。

 女だったら、結婚式には、いろいろと思うところあったでしょう?」
と言われたので、それはお気の毒に、と思ったのぞみは、

「あ、では、日取り以外のことは、すべてお義母様のよろしいように」
とうっかり言ってしまった。

「……お前、なんという恐ろしいことを」
と京平が青ざめる。

「え?」

「俺はふたりきりで、そっと式をやったりとかいうイメージだったのに。

 あの親に任せてみろっ。

 そっと、なんて式になるわけないだろうっ」

 ……前から思っていたのだが。

 男の人の方が、というより、専務の方が私よりロマンチストだな、とのぞみは思っていた。
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