わたしと専務のナイショの話
「えっ? 何故ですか?」
と問うと、もう食べ終えたらしい祐人はよく冷えた水を飲みながら、

「さっきから、水をくんでやったのも俺。
 箸をとってきてやったのも俺。

 ……お前、先輩になにさせるんだ」
と文句を言ってくる。

 いや……、してくれとは頼んだ覚えはないのですが。

 どうも祐人は、どんくさい人間を見ると、イラッと来て、世話を焼いてしまうタイプの人のようだった。

「そういえば、会社に入るまでの専務の経歴は謎なんだよな」
と祐人は呟く。

「全然違う職種についていたのはわかってるんだが」
と言いながら、下を見てもゾワッと来ないらしい彼は窓の下の街を眺めていた。






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