彼の隣で乾杯を
「どのみち由衣子は関わらない方がいい。その彼女っていうのが問題なんだとしたら林さんが何とかするべきだし、谷口と康史さんがこじれた原因がそいつだったとしてもそれを何とかするのは康史さんの仕事だ」
「確かにね。他人が口を挟むべきじゃないよね。もっとこじれたら困るし。実際何があったのか知ってるのは当事者だけなんだもの」
「タヌキが何か動いているはずだから大丈夫だろう。でも、俺たちは様子をみるしかないとわかってはいても、どうにももどかしいなぁ」
二人ではぁっとため息をついたら、そこに頼んでいた白ワインが届いた。
「由衣子。せっかくの休暇なんだからこっちはこっちでしっかり楽しもうぜ」
「そうだね」
私がここでじれじれとしていても状況は変わらない。
早希は近頃電話の声が明るくなってきていたから、彼女なりに新しい生活に馴染んできているのだろう。
たまに送られてくる姪や生まれたばかりの甥との写真を見ても少し痩せてはいたけれど、笑顔が見えたから。
私はこの降って湧いた高橋との異国デートを楽しませてもらおう。
さっきまでの赤ワインも美味しかったけど、この白ワインもかなり美味しい。
テーブルには料理が何種類も並び、こんなに幸せでいいのかと思うほど。
一口大の仔牛のステーキにチーズをちょこんと乗せてパクっと頬張る。柔らかい肉の食感とステーキソースの赤ワインの香り、チーズの塩味が混ざりあって私の五感はお祭り騒ぎになっている。
「確かにね。他人が口を挟むべきじゃないよね。もっとこじれたら困るし。実際何があったのか知ってるのは当事者だけなんだもの」
「タヌキが何か動いているはずだから大丈夫だろう。でも、俺たちは様子をみるしかないとわかってはいても、どうにももどかしいなぁ」
二人ではぁっとため息をついたら、そこに頼んでいた白ワインが届いた。
「由衣子。せっかくの休暇なんだからこっちはこっちでしっかり楽しもうぜ」
「そうだね」
私がここでじれじれとしていても状況は変わらない。
早希は近頃電話の声が明るくなってきていたから、彼女なりに新しい生活に馴染んできているのだろう。
たまに送られてくる姪や生まれたばかりの甥との写真を見ても少し痩せてはいたけれど、笑顔が見えたから。
私はこの降って湧いた高橋との異国デートを楽しませてもらおう。
さっきまでの赤ワインも美味しかったけど、この白ワインもかなり美味しい。
テーブルには料理が何種類も並び、こんなに幸せでいいのかと思うほど。
一口大の仔牛のステーキにチーズをちょこんと乗せてパクっと頬張る。柔らかい肉の食感とステーキソースの赤ワインの香り、チーズの塩味が混ざりあって私の五感はお祭り騒ぎになっている。