モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
「取締役?」

「やめてくれない?」

「えっ?」


やめる?

えっ?

何で?


「仁(じん)だから。」

「えっ?」

「仁って呼んで。」


はっ?!?

何を言ってるの?

理解がまったく出来ない。

固まる私の頬に取締役の手が触れ、驚きに身体が揺れた。


「悠菜。」

「えっ?」

「悠菜、俺と付き合って欲しい。」


思考回路が停止した。

取締役は何て?

聞き間違いだよね?


「悠菜が好きなんだ。他の男と2人で出掛けるな。」

「…………。」

「悠菜が好きなんだ。」


好き?

取締役が私を好き?

目が見開いていく。

驚き過ぎて声すら出せない。


「嫉妬で狂いそうだった。他の男と2人で出掛けるな。」

「取締役?」

「仁だ。」

「夢?」

「現実。」

「嘘でしょう?」

「本当。」


頬に触れる温もりが現実だと知らせる。


「悠菜、好きだ。付き合って欲しい。」


甘い囁きが夢と現実を彷徨わせる。

信じられない。

だって憧れの人だよ?

本気なの?
< 41 / 76 >

この作品をシェア

pagetop