モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
気持ちを落ち着かせるように目を閉じて深呼吸を繰り返す。


「悠菜。」


名前を呼ばれて目を開く。


「剛とは何もないのか?」

「ないよ。」

「俺も一緒に行って大丈夫か?」

「いいよ。」


覚悟を決めた。

剛の意味不明な言動。

私もそこまで反対する理由を知りたい。

それに隠し通せない気がする。

目の前の視線が私を射るように見つめている。


「俺も一緒に行く。」

「わかった。」


こう答えるしかない。

秘密はいつかはバレる。


「食べたら帰ろう。」

「はい。」


秘密はバレる。

覚悟を決めるしかない。

例え夢のような時間が終わってしまっても。


「仁さん、今日はありがとうございました。」


二度と訪れないかもしれない時間に、無意識にお礼が吐き出されていた。


「また誘う。この店の料理は美味しい?」

「はい。」


笑みを浮かべて答えた。
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