モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
榛名取締役も剛も私の勤める会社の御曹司だ。

取締役に至っては次期社長と認識されている人だ。

王子様のような雰囲気を持つ取締役は社員も私も憧れている。


『剛と仲が良いって聞いたよ』


兄弟で話題にされてるとは思いもよらなかった。

まあ剛の事だから女友達の一人として話題にしたのだろう。

最後に感じた視線が気になってしまっていたが、大した意味はないだろうと思い受け流した。


「金曜か…………、なんか長引きそう。」


廊下を歩く私は小さく溜息を漏らした。

翌日が休みのせいか、金曜の会食は長引く傾向がある。

いつも飲み過ぎないように気を付けてはいる。

だがお酒を勧められれば飲まない訳にはいかない立場でもある。

それをフォローしてくれるのも榛名取締役だ。

いつも頼りっぱなしの秘書に情けなくなる時もある。


「はぁー。」


つい溜息も漏れる。


「斉藤さん、どうかした?」


突然背後から掛けられた声に直立した。

振り返れば、社長と社長秘書の並木さんが立っていた。
< 9 / 76 >

この作品をシェア

pagetop