その瞳は、嘘をつけない。
「おい、風呂掃除終わったぞ。」

突然声を掛けられ我に返った。

「お疲れさま!
こっちも今終わるから、もうちょっと待っててね!」

私だってぼうっとしていた訳ではなくしっかり手は動かしていたので、
もう少しで終わる。

ランチは近くにあるカフェに、と秀くんから誘われている。

いろいろと提案されることが珍しくって、
秀くんらしくなくて、
不思議な感じもするけど。

寒い冬も終わりを迎え、
この暖かさと日差しをみていたら、
私だって自然と気持ちが前向きになるし、
体も動かしたくなるし、
そう言うことなのかな、と
深く考えていなかった、この時は。
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