その瞳は、嘘をつけない。

一之瀬さんは気にした様子もなく続ける。
「普段、誰と飲んでるんだ？」
「女友達ですよ。大勢で飲むよりも、仲のいい子とサシで飲む方が好きなんです。
あ、家で一人でも飲みます。」
「確かに、その方がお前らしいな。」
らしいって、まだ会うのは二回目なのに何を根拠に？なんて思いつつも。

「仕事は？あの店は長いのか？」
「4年目です。大学を卒業してから、ずっと。」
「てことは、25？」
「一之瀬さんは？」
「29。」
「出身は？地元ここ？」
「そうです。実家も市内なんですが、今は一人で。」

一之瀬さんは会話上手、というか質問上手で、私は深く考えずに質問に答えていくだけで会話はどんどん進んでいく。
次第に私も、緊張が解れるどころか、まだ会うのは2回目というのも信じられないくらい打ち解けてきた。