もう一度、愛してくれないか
『……あ、専務、先程は失礼しました。
お疲れ様です。仕事でなにかありましたか?』
「おい、伊東」
抑えようと思っても、つい地獄の底を這いずり回るような低い声になる。
「よくも、うちのヤツに、とんでもねえウソ八百を吹き込みやがったな?」
『えっ…あっ…いやっ…そのっ……』
スマホの向こうで、焦っている様子がわかる。
「おまえがスリートップのPCで見た女はな……」
おれは息を吸った。