御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~


「うわぁ〜……凄い……」

目の前のテーブルに広がるのは、実家で仲西さんが記念日なんかに振舞ってくれるご馳走にも劣らない、豪勢な料理達。


「材料はショッピングセンターの安物だから、豪華なのは見た目だけだけどね」

と、彼はなんてことない様子で言うけれど、安い材料でこれだけ豪華に見せられることだけでも充分凄い。


「……ていうか、料理までやらせてすみません……」

もちろん私が作ろうとしたのだけれど、大和田さんは「今日は俺がやるからいいよ」と言って一人で支度を始めてしまい、私は完全に出る幕がなかった。


……完成したこの料理達を見ると、私のここ半年の花嫁修行で培った料理の腕なんて足元にも及ばない、と思って悲しくなる。


「いただきます……」

箸で摘んで、口元へ運ぶ。
食べる前からわかっていたけれど、味もしっかりと美味しい。
本当、完璧な人だなぁ……と思う。


そんなご飯を食べながら、思わず


「……どうしてここまでしてくれるんですか」

と聞いてしまった。


「え?」

「あっ、いえ! 何でもないです、忘れてください!」


……変なことを聞いた。

口に出してから、すぐに気付いた。どうしてここまでしてくれるか、なんて。

そんなの決まっている。

美味しいご飯を作ってくれるのも、高級な宝石店に連れて行ってくれたのも、私の好きなものに共感してくれるのも、笑顔を絶やさずに色々な話を振ってくれるのも……


全部、この政略結婚を円滑に進めるために決まってる。
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