御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
陽平くんは無言のまま、私が腰掛けるベッドの隣に同じように座った。

こっちを見てはくれなくて、その横顔は無表情で怖い。

何て話を切り出そうか考えていたら、彼の方から口を開いた。


「……昼間のことなんだけど」

ビクッと身体が震えた。

……これからフラれるんだと思うと、急激に泣きそうになる。おかしいな、昼間あんなに泣いたはずなのに……。


「うん。私も話さなきゃって思ってた」

「あの時、日和が持ってたの、俺への弁当だよね?」

「うん……うん?」

あれ、今その話? お弁当は別にどうでも良くない? 今話したいのは陽平くんと抱き合ってた女性のことなんだけど……。


「何でくれなかったの? 俺、食べたかったのに!」

「な、何でって……もしかして、さっきから若干不機嫌そうなのってそれが原因?」

私がそう聞くと、彼はまさかの「そうだよ」と答えた。


「でも、それだけじゃない。あの時、何で日和が泣いていたのかわからない自分に腹が立ってる」

「え?」

そう話す陽平くんは、不機嫌……と言うよりは、本当に自分自身に対して苛立っているような、そんな顔をしていて……何て返事をしたらいいのかわからない。

だけど、


「ずっとずっと、四六時中、日和のことを考えているのに、全くわからないんだよ」

その言葉に、思わず嬉しくなってしまった。
この言葉は、ウソかもしれないのに。彼が本当に好きなのは別の女性かもしれないのに……。


私……彼の本当の気持ちが知りたい。



「……陽平くん、昼間、あの綺麗な女性と抱き合ってたでしょ」
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