御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
言った。言ってしまった。
顔が真っ赤になっているのが自分でもわかるし、全身まで熱いし、胸が苦しいし。

でも、不思議と後悔はしていない。
別れを告げられるなら……自分の気持ちを伝えてからの方がいいから。



少しの間の後、陽平くんが「日和」と私の名前を呼ぶ。
フラれるのが怖くて、彼の顔を見れず、俯いたまま目をギュッと瞑る。


そんな私に、彼はゆっくりと言葉を紡ぐ。


「日和。あの女性はーー



俺の姉なんだけど」




「……は?」


思わず間抜けな声が出た。
下を向いていた顔も反射的に上がった。多分凄く変な顔をしてしまっていたと思う。


陽平くんは真面目な顔をしたまま話を続ける。


「俺、姉がいるってこの前話さなかったっけ?」

「それは聞いたけど……」

「自由気ままな人でさ、うちの会社では働いていなくて、語学留学だなんだって言って、もうずっと前から海外に住んでるんだ。
今日は久しぶりに日本に帰ってきて、会社まで会いに来てくれてて。

ずっと海外に住んでたのと久し振りに会ったのが相まって、あんな風に抱きついてきたって感じかな。それでなくても俺の家って、皆スキンシップ激しめでさ。俺もつい、頭撫でたりしてたかも。
だから日和が不審に思うことは何もなくて……って、日和?」


……最悪。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
完全に誤解だったんだ。
私は一度は上げた顔を再度俯かせ、体育座りの状態で両膝に自分の顔を埋めた。
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