御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
「か、解消?」

何? どういうこと?

とんでもないことを言われた気がして、私はお父様を凝視する。

お父様も、何だか困った顔をしつつも私の目を見つめ返し、話を続ける。


「ほら、結婚について日和はあんなに嫌がっていたのに、父さんが勝手に決めてしまっただろう?」

「いや、まぁ……でも別にそれは……。政略結婚なんてそんなものでしょう?」

「……この結婚に政略結婚的な要素があるのはもちろんなんだが……日和も陽平くんもまだ若いし、少し急ぎ過ぎたかなと」

「ちょっと、話が見えてこないよ。強制的に同棲までさせておいて、何で急にそんなこと言い出すの?」

「…….母さんに怒られた」

え? お母様?
何で急にお母様の名前が出てくるのだろうか。


……そう言えば、私と陽平くんのこの結婚について、お母様からは何も意見を聞いていない気がする。


と言うのも、お母様とお父様は実は現在……別居中。そのため、この家にお母様は今、一緒に住んではいない。

と言っても、そこまで深刻な状況ではなく、「ああ、またか」という感じ。
だって、子供の頃からよくあることだったから。
些細なことが原因でケンカして、お父様はすぐに謝るのだけれど、お母様の怒りはいつもなかなか収まらず、すぐにうちが保有しているマンションに拗ねて閉じこもってしまう。

今回もこのパターンだと思っていたのだけれど、そもそも今回のケンカの理由を知らずにいた。ケンカの度にそのきっかけを聞くのが面倒臭くて、知らんぷりしていたのだ。
< 67 / 77 >

この作品をシェア

pagetop